
私は東北生まれです。9年前の東日本大震災で被害に遭われたすべての方に黙祷するとともに、一刻も早い復興を祈念させていただきます。
今日は、中1で学習する地震分野を中心に復習したいと思います。
☆問題!(オを除き中1レベル)
問題 ア〜オの正誤をそれぞれ◯✖️で答えなさい。
ア M(マグニチュード)9.0の地震は、M8.0の地震の約1000倍ものエネルギーがある。
イ 震度には0もある。
ウ 日本では、日本海側よりも太平洋側のほうが、より地下深くを震源とする地震が多い。
エ 地震によって生じれば、たとえ高さ1cmでも「津波」という。
オ 原子力発電には、電磁誘導の仕組みが使われている。
さあ、どうでしょうか。
☆よくわかる解説
ア M(マグニチュード)9.0の地震は、M8.0の地震の約1000倍ものエネルギーがある。
→×
マグニチュードと震度の違いは基本中の基本なので必ず押さえておいてください。
マグニチュードは、地震そのものの規模(エネルギー)を表す指標です。
震度は各地点ごとに発表されるのに対し、マグニチュードは地震1つにつき1つの値のみを持ちます。
ちなみに、東日本大震災を引き起こした東北地方太平洋沖地震のマグニチュードは8.4でした(気象庁の発表による)。
さて、マグニチュードは2つ大きくなると地震のエネルギーは1000倍になります。
1つ大きくなると、約32倍です。
正確には、1000の正の平方根(31.62)倍となります。
これは、マグニチュードには高校2年生で学習する「対数」という概念が使われていることによります。
2つ大きいとエネルギーは1000倍
1つ大きいと約32倍
イ 震度には0もある。
→〇
震度は、最小値が0、最大値は7です。
しかし、5と6は強弱の区別があるため、全部で10段階に区分されることになります。
これは基本知識なので必ず覚えておきましょう。
ウ 日本では、日本海側よりも太平洋側のほうが、より地下深くを震源とする地震が多い。
→×
プレートが太平洋側から日本海側へ向かって沈み込んでおり、地震はプレート境界で発生するため、日本海側で地下深くの震源が多くなります。
著作権の関係で図は載せられませんが、教科書等で必ず確認して納得しておいてください。超重要知識です。
エ 地震によって生じれば、たとえ高さ1cmでも「津波」という。
→〇
津波の定義に波の高さは関係ありません。ちょっと雑学的ですが、知っておいて損はないでしょう。
なお、この機会に「高潮(たかしお)」という言葉も覚えておくとよいでしょう。
高潮は、台風のような低気圧中心が周囲に比べて海面を押さえつける気圧が低くなることにより、海水が高く持ち上げられる現象です。
海岸で観測すればどちらも危険な波ということになりますが、発生のメカニズムはまったく異なりますので、区別して覚えておいてください。
オ 原子力発電には、電磁誘導の仕組みが使われている。
→〇
これ、意外と知られていないと思いますが、私たちが日常使っている電気は(化学エネルギー由来の乾電池や燃料電池などを除き)ほとんどすべて電磁誘導によって作り出しています。
電磁誘導によって誘導電流を得るには、磁界を変化させ続ける必要があります。
端的に言えば、コイルの近くで磁石を回転させ続ける必要があるわけです。
で、どうやって磁石を回転させ続けるか。
その動力の違いによって、火力発電、原子力発電、水力発電…と名前がつけられているに過ぎません。
化石燃料を使って高熱の水蒸気を作り出し、磁石を回せば火力発電。
ウランを使って高熱の水蒸気を作り出し、磁石を回せば原子力発電。
落下する水の勢いで磁石を回せば水力発電。
…という具合ですね。本質的には電磁誘導の理論を応用して発電しているのです。
現代文明は電気がないと成り立たないので、電磁誘導は極めて重要な単元なんですよ。
☆まとめ
地震や発電の仕組みといった基礎的教養をしっかりと身につけて、
東北復興の一翼を担える人材になれるように、
お互い切磋琢磨していけたら嬉しく思います。