
政治にはすべての方が関心を持つべきだと思いますが、
とりわけ女の子や若い方が政治に関心を持つことはめっちゃ重要。
今回は、「緊急事態宣言」についてざっくりと説明します。
※当サイトは感染症の専門的知見を有するものではありません。素人による主義主張と情報提供とご理解ください。
☆緊急事態宣言って?
安倍政権は、2012年、まだ民主党政権だった頃に成立した「新型インフルエンザ等対策特別措置法」を、今回の新型コロナウィルスにも適用できるように法改正して(集団的自衛権や検察官の定年などの、あらゆる禁じ手を解釈変更のみでやってのけた安倍政権が、なぜに民主党の作った法律をすぐに使おうとしないのか甚だ謎ですが、本記事では言及しません)、今月13日にも可決しそうとのことです。
以下、特措法の根幹部分は変わらないと仮定して説明していきます。
同法では、首相が一定の要件(後述)の下で緊急事態宣言をすることができる、と定められています。
緊急事態宣言は、地域を特定してなされることが一応の建前になっています。(ただし、既に全国一斉の休校が法的根拠なく要請されており、この辺りは未知数です。)
宣言に特定された区域の都道府県知事はさまざまな要請・指示ができます。例えば…
1 住民への(不要不急の)外出自粛(要請)
2 学校、保育所、老人福祉施設などの使用停止(要請)※
3 音楽、スポーツイベント等の開催制限(要請)※
※2と3については、要請に任意に応じない場合であって、かつ「正当な理由がない」等のときは指示もできるとされています。ただし、指示に従わなくても罰則規定はありません。
他にも
4 臨時医療施設のための土地・建物の(強制)使用
5 鉄道、運送会社などへの医薬品の運送要請や指示
6 医薬品、食品などの売り渡し要請や強制収容。
尤も、4~6はホントにヤバイときの話なので、とりあえず本記事では、私たちの生活に大きく影響しそうな1~3について考えていきましょう!
☆ん?今とあまり変わらないの…かな?
良くも悪くも、安倍首相の場当たり的な要請に対して多くの国民は自主的に従って自粛モードに入っている日本の現状を鑑みると、緊急事態宣言が出てもあまり今と変わらないような気もします。結局は、まず「要請」→一定の要件を満たせば「指示」の手順を踏みますが、既に述べたとおり指示に従わなくても罰則規定はありません。
指示するにも一定の要件が必要。無視しても罰則なし!
☆そもそも今って緊急事態なの?
逆に言えば、何の法的根拠もない安倍首相の「思いつき」に付き合ってみんなで一斉に超絶な自粛をしている今が異常、という見方もできると思います。
そもそも今ってホントに「緊急事態」なんでしょうか?
法によれば「緊急事態」とは、
・国民の生命及び健康に著しく重大な被害を与えるおそれがあるものとして政令で定める要件に限る
・全国的かつ急速なまん延により国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼし、又はそのおそれがあるものとして政令で定める要件に該当する事態
…うん、結局は「政令」を見ないとわかりませんね。では、政令には何と書いてあるか。
(ちなみに、法は立法府が、政令は行政府が定めるのですよ)
「政令」にあたる施行令の「新型インフルエンザ等緊急事態の要件」を読んでみると…
季節性インフルエンザと比べて「症例の発生頻度が」「相当程度高いと認められる」
と明記されているではありませんか。
毎年の季節性インフルエンザですら、普通に年間3000人の死者が出てもおかしくないのです。厚労省の明らかにするところに従えば、国内感染者数も死者もインフルエンザより少ない現状で(検査してないだけだが)、はたして「症例の発生頻度が」「相当程度高いと認められる」と言えるのでしょうか?
もともと特措法は、厚生労働省が1918年から翌年に流行したスペイン風邪(H1N1型インフルエンザ)並みの感染、致死率および死者数を念頭に立法されたという経緯があります。致死率2%、死者約64万人。つまり特措法でいう「緊急事態」とは、ものすごく強力な感染症を想定しているのです。
いくら「新型」で「未知」とはいえ、安易に「緊急事態」を宣言して(あるいは宣言しなくても今のような自主規制を以ってして)私権を著しく制限するのはいかがなものでしょうか。
☆当サイトの所感
このまま科学的根拠に乏しい自粛を続ければ、コロナウィルスより先に経済的に死んでしまう方が(私のようなフリーランスを中心に?)多数出るでしょう。いや、大袈裟でなく。
「緊急事態なんだから黙って従え」「こんなときに批判しても何も生まれない」
という意見もTwitter等で散見されますが、そういう人はぜひ歴史に学んでください。
私たちがどんな過ちをしでかしたか。20世紀で懲りたはずでしょう。
あまり政権批判をするのは当サイトの目的から逸れますけれども、敢えて申し上げます。
・公的Twitterアカウントが番組名指しで反論(しかも悪質なデマ)
・専門者会議は「ライブハウス」など若者のことは名指しで狙い撃ちするくせに、もっと危ないであろう「パチンコ」や「満員電車」など、利権が絡むと思われるところは積極的に言及しようとしない
のような状況下では、もはや公的機関の発する情報ですら信用できないのであります。
こういうときこそ、国民一人ひとりの民度、人間性、理性と健全な批判精神が試されます。
マスクを求めて殴り合ったり薬局の店員さんに暴言吐いたりしているような民度の低さではデマに簡単に騙されます。
お互い、冷静に正しく恐れて立ち向かいましょう!
こういうときこそ清く正しく美しく困難に立ち向かえ!
※緊急事態宣言と紛らわしい、「緊急事態条項」についても機会があれば別に記事にします!
※今、下の本を読んでいる途中。このくらいの基礎知識は持った上で困難に立ち向かいたいものですね。