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☆優生学とは?
優生学は、19世紀後半に正式な学問の一種として成立しました。
ダーウィンの「進化論」に影響を受けた、ダーウィンの従兄であるフランシス・ゴールトンが「優生学」を主唱していきます。(ダーウィンの「進化論」自体には優生学的な意図はまったくありません。)1865年のできごとです。
優生学は、例えば「生物の遺伝構造を改良することによって人類の進歩を促そうとする、科学に基づいた社会改良運動」と定義することができます。
喩えが適切かどうかわかりませんが、より美味しくて害虫や病気に強い果物を求めて品種改良をすることがありますが、それを人間にやってしまえばより良い社会になるのでは、という考え方です。
☆古くはプラトンから
なお、優生学に通ずる考え方は、プラトンの時代までさかのぼることができます。古代ギリシアですから、紀元前400年とかそのくらいですね。
プラトンの著作「国家」の中には以下のような記述があります。
「最も優れた男性は、意図して最も優れた女を妻に娶ったに違いない。そしてその反対に、最も劣った男性についても同じことが言える」
プラトンは、人間の生殖活動は国家によって管理されるべきであると考えていたのです。そして、露骨に選択させると傷つくから偽りのくじ引きで配偶者を決すべき、などと気を遣っているんだかいないんだかよくわからんことを書いています。
ご存知でしたか?プラトンのイメージがだいぶ変わったのではないでしょうか。
それにしても、「人間の生殖活動は国家によって管理されるべき」って、どこかで見ましたね。RADWINPS野田の考え方は、紀元前400年ころからまったく進化していないものと見ることもできるでしょう。
☆優生学の2つの側面
優生学は歴史的に以下の2つの側面に分けて考えることができます。
1 積極的優生学…子孫を残すに相応しいとみなされた者がより多くの子孫を残せるように奨励する考え方です。例えば、複数の子どもを持つ優れた素質を持つ両親を表彰したり、金銭的援助を与えたりすることが考えられます。
2 消極的優生学…子孫を残すに相応しくないとみなされた者が子孫を残すことを防ぐ考え方です。例えば産児制限をすることが考えられます。
(つづく…)
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