続きです。その1はこちら。
☆進化の方向性(補足)
以上見てきたとおり、同じ卵生でも、「魚類・両生類」のグループと、「爬虫類・鳥類」のグループとでは大きな差異があることに留意してください。
「爬虫類・鳥類」の卵には殻があるので乾燥に耐えることができる
このことをしっかり押さえておいてください。
ついでに言うと、この意味で最強なのが哺乳類です。
哺乳類は胎生です。体の中には十分な水分がありますから(人間の体重の6割は水分だそうです)、爬虫類や鳥類以上に乾燥に耐えることが可能になったわけですね。
ですから、脊椎動物は進化の順に覚えることが重要だったのです。
ついでに言っておくと、「魚類・両生類・爬虫類」までが変温動物で、「鳥類・哺乳類」だけが恒温(こうおん)動物です。
「恒」は音読みはコウですが、訓読みは「つね」と読みます。意味的には「常」と同じです。「一定の」とか「変わらない」という意味ですね。2つ同時に使って、恒常性とか恒常的のような言葉もあります。
太陽や星座の星を「恒星」と言います。恒星は動かないので、位置が「一定である」「変わらない」ので恒星というのです。
☆進化の方向性(植物への応用)
以上の話は、中1で学習した植物にも全く同じように当てはめることができます。
水中でないと生きられないのが、ワカメやコンブなどの藻類です。
やがて進化して陸地には出たものの湿った水辺でないと生きられないのがコケ植物。
ある程度なら乾燥に耐えられるようになったシダ植物。
ほぼ完全に乾燥に耐えられる裸子植物や被子植物、という順に進化していったわけです。
もう察しがつくと思いますが、乾燥に耐えられる秘訣は「種子」を作るようになったことです。種子は殻のようにかたいから乾燥に耐えられるのです。それに対し、胞子はぶよぶよしていて常に湿っていないとダメなのです。だからシダ植物はあまり乾燥したところでは生育できないわけですね。
いかがですか。
進化=乾燥に耐えること
このように理解しておけば、イチイチすべてを暗記しなくても考えればわかるようになりますね。こういうのが本当の勉強です。
(続きます…)
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