続きです。その1はこちら。
☆海に戻った哺乳類
かつて陸上を歩いていたにもかかわらず、海に戻ることを選んだ哺乳類はイルカとクジラしかいません。
イルカやクジラはもちろん、哺乳類ですから赤ちゃんのときはおっぱいをのみます。
長らくクジラの授乳シーンを撮影することは困難でしたが、今ではネット上で貴重な写真を見ることができます。
(貴重なザトウクジラの授乳シーンを激写!より引用)

もちろん哺乳類ですから、肺呼吸です。有名な「クジラの潮吹き」は、クジラが海面に出てすぐに空気を吐き出すために、まだ体についている海水や、鼻の穴の窪みにたまっている海水が、霧のようにふき飛ばされて白く見えている現象です。
ちなみに寒いときは、まわりの気温より息が温かいので、よけいに白く見えます。…このことも受験生は「飽和水蒸気量」の概念をつかってちゃんと説明できないとダメですよ。
クジラの祖先はカバを含む偶蹄類(ぐうているい)の祖先から分化したと考えられています。太古の昔には陸上を 4 本の足で歩いていたのです。海への適応とともに尾が発達して体が流線型になる一方、後足は退化してしまいました。その証拠に、クジラの腹部内部をCTスキャンで見てみると、後足を支えていた骨盤のなごり ( 骨盤痕跡骨 ) を観察することができます。
近年、各地で野生のイルカやクジラを観察するドルフィンウォッチングやホエールウォッチングが人気です。沖縄では 1 月から 3 月の間、座間味島近海や那覇周辺、伊江島近海でザトウクジラの観察を主としたホエールウォッチングツアーが盛んに行われています。
コロナが落ち着いたら、ぜひ行ってみてください。
☆まとめ 進むも自由、戻るも自由
以上見てきたとおり、最初は海の中でしか生存できなかった生物は、やがて地球環境の変化や、自らの進化によって、陸地に進出していきました。
進化とは乾燥に耐えること。
…こう考えてみると改めて不思議に思うことがあります。
乾燥に耐えられるように進化した、最も高等な動物たる哺乳類であるイルカやクジラは、どうして海に戻ったのでしょうね。
その答えは、もはやイルカやクジラ本人たちも知らないのかもしれませんが、きっと海に棲むことが、彼らにとっては快適だったのでしょう。
この世界には、敢えて海に戻ることを選んだ哺乳類がいます。
私たちは、その気にさえなればどこにでも行くことができますし、それだけでなく元いた場所に戻る自由もあるのです。覚えておいてください。
最後までお読みいただきありがとうございました🧡

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