
平安時代の貴族って、すごいですよね。
五・七・五の三十一文字(みそひともじ)で告白して、
それに対してやっぱり三十一文字で返事してたんですから。
優雅です。
そんな優雅な告白の仕方、教えちゃいます!
☆由来は夏目漱石
夏目漱石が教師をしていた頃のお話しです。
英語の授業の中で、生徒が「I love you.」を日本語に翻訳するという場面がありました。
その際、生徒たちは「我、汝(なんじ)を愛す。」や「我、其方(そなた)を愛おしく思う。」と訳したそうです。
汝、や其方、は今の若い方には難しいかもしれませんが、「あなた」の意味ですね。
つまり今でいえば、「私はあなたのことが好きです」ということで、生徒の訳は決して間違っていません。
ところが、この生徒の訳を聞いた漱石先生は仰いました。
「日本人はそんな図々しい言い方はしない。月が綺麗ですね、とでも訳しておきなさい。」
と。
日本人は奥ゆかしいから、そんなストレートな愛情表現はしないと、漱石先生は考えたのですね。明治の日本人の考え方がよくわかるユーモラスなエピソードです。
そういうわけで、この逸話がもとになって「月が綺麗ですね」という言葉が「I love you.」を意味する言葉として使われるようになったと言われています。
☆「死んでもいいわ」
このお話には続きがあって、「月が綺麗ですね」と言われたときに、何と返せばよいのか、これまた情緒的な切り返しの言葉をご紹介しておきます。
それは、「死んでもいいわ」です。
これは、小説家の二葉亭四迷が、I love youを「死んでもいいわ」と翻訳したという逸話からきています。
厳密に言うと、二葉亭四迷がツルゲーネフの小説、「片恋」を翻訳したときに、「あなたに委ねます」という一節を「死んでもいいわ」と訳したんだそうです。
☆まとめ
「月が綺麗ですね」と告白して、「死んでもいいわ」と返される…国語・文学好きにはたまらない恋愛シチュだと思います!(笑)
ぜひ知っておいて、いつか使ってみてくださいね!
え?好きじゃない人から「月が綺麗ですね」と言われて断りたいときは?
…満月ですからね、とか月の話として受け取ってスルーしときましょうか(笑)
「月が綺麗ですね」と言われたら「死んでもいいわ」と返そう!